日本ではジーン・ピットニーと言えば「ルイジアナ・ママ」(62年に飯田久彦で大ヒット)らしいが、この曲は(自作だが)アメリカではヒットしなかったので、誰も知らない。バカラックの曲を一番ヒットさせたのはDionne Warwickだが、次に多いのは多分彼(Top40ヒット4曲)だし、CrystalsのNo.1ヒット「He's A Rebel」やRicky Nelsonの「Hello Mary Lou」やBobby Veeの「Rubber Ball」の作者でもあるし、遅くまで英国では根強い人気があったりとか、色々多面的な魅力のある人なんである。通して聴くと結構いい曲あるし。
Gene Pitney(1941-2006)はコネチカット州生まれ。2002年ロックの殿堂入り。全曲、今年出た「Gold」(何と3枚組CD!)に収録。
05443 (I Wanna) Love My Life Away (恋なんておサラバ) 61年39位
日本で出たシングル盤には「ジーン・ペトネ」と表記されている。こっちの方が実際の発音は近いような気がするが。自作で、「ルイジアナママ」に近い世界。
05444 Town Without Pity (非情の町) 61年13位
カーク・ダグラス主演の同名映画の主題歌。5445との混同で西部劇だと思っていたら、全然違った。でも、『真昼の決闘』や『OK牧場の決斗』等で有名な映画音楽の巨匠ディミトリ・ティオムキンの作品ではないか(作詞は本人)。歌謡曲っぽい感じがたまらなく好き。ゴールデングローブ賞でベストソングを受賞(アカデミー賞では「ムーンリヴァー」に負けた)。
https://www.youtube.com/watch?v=ZCRSB8o3CN4
05445 (The Man Who Shot) Liberty Valance (リバティ・バランスを射った男) 62年4位
ジョン・フォード監督、ジョン・ウェイン、ジェームズ・スチュワート主演の同名西部劇の主題歌として、バカラック=デイヴィッドの黄金コンビが作ったが、監督が気に入らず映画では使われず。確かに何か西部劇っぽいメロディなんだが、それがバカラックと合っているとも思えず。フィドルも中途半端だしなあ。
05446 Only Love Can Break A Heart (恋の痛手) 62年2位
これもバカラック=デイヴィッド作。彼らにしてはカントリータッチ。2位まで行く大ヒットとなったが、この時の1位がCrystalsの「He's A Rebel」で、自作がNo.1を阻んだことになる。アダルトコンテンポラリーチャートNo.1。
05447 Half Heaven –Half Heartache (恋の1/2/恋は1/2) 63年12位
Elvisに多くのヒット曲を提供したAaron Schroeder作。63年にしてもクラシカルだけど、いい曲だな。
05448 Mecca (メッカ) 63年12位
この曲も歌謡曲っぽさがいい。と思ったら、克美しげるがカヴァーして大ヒットしているらしい。エキゾチックというか、中東風ということか。
05449 True Love Never Runs Smooth (恋は異なもの/苦しい恋こそ真の恋) 63年21位
バカラック=デイヴィッド。オリジナルはDon & Juan。
05450 Twenty Four Hours From Tulsa (タルサからの24時間) 63年17位
いかにもバカラック。の中でもこれが一番いいんじゃないかな。
この曲の後に「That Girl Belongs To Yesterday」という曲が49位まで行っているのだが、これはJagger & Richards作のアメリカ初のヒット曲。英国でStonesのメンバーと知り合って仲良くなったらしい。
https://www.youtube.com/watch?v=zugy2rkSM7g
05451 It Hurts To Be In Love (イット・ハーツ・トゥ・ビー・イン・ラブ) 64年7位
Howard GreenfieldとHelen Millerによる、いかにもブリルビルディングって感じのポップス。女声コーラス入りだしね。
05452 I’m Gonna Be Strong (淋しさを忘れよう) 64年9位
これもブリルビルディングの大物Cynthia Weil & Barry Mannの作品。オリジナルはFrankie Laine。英国では2位は出来過ぎだなあ。
05453 I Must Be Seeing Things (アイ・マスト・ビー・シーイング・シングズ) 65年31位
「幸せの黄色いリボン」のIrwin Jesse LevineやAl Kooper等の共作。よくわからない組み合わせ。クラシカルだが、キャッチー。
05454 Last Chance To Turn Around (ラスト・チャンス・トゥ・ターン・アラウンド) 65年13位
独特のサビで決まりだな。
05455 Looking Through The Eyes Of Love (ルッキング・スルー・ジ・アイズ) 65年28位
これもCynthia Weil & Barry Mannの作品。どの曲もそれなりにキャッチーでいいね。英国では3位。Partridge Familyがカヴァーしてた。
05456 Princess In Rags (僕のプリンセス) 65年37位
何かメキシカンっぽいアレンジの曲が多いような気が。
05457 Backstage (バックステージ) 66年25位
流石に66年にこの曲はちょっと古いかなあ。
05458 She’s A Heartbreaker (シーズ・ア・ハートブレーカー) 68年16位
最後のTop40ヒット。これはかなりR&Bで、路線転換だったんだろうか? 十分に68年の曲だしなあ。
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