Reddy, Helen (ヘレン・レディ)
70年代を代表する女性シンガー。彼女の歌には、70年代の良質なポップスが凝縮されているような気がする。41年オーストラリア・メルボルンの芸能一家に生まれ、4歳からステージに立つ。66年ロスアンジェルスに移住、70年プロデビュー。アダルトコンテンポラリー・チャートで8曲のNo.1ヒットを持つ。「エアポート’75」等の映画にも出演した。
01263 I Don’t Know How To Love Him (私はイエスがわからない) 71年13位 ロックオペラ「ジーザス・クライスト・スーパースター」の曲。「キャッツ」や「オペラ座の怪人」で知られるアンドリュー・ロイド=ウェバー作。最初はLinda Ronstadtに話があったが、彼女が断って、Helenがレコーディングすることになったようだ。オリジナルのYvonne Ellimanのヴァージョンよりこちらの方がヒットした。
01264 I Am Woman (私は女) 72年1位 ウーマンリブのテーマみたいな曲。歌い出しから「私は女、私が吼えるのを聴け。私たちは無視できないほど数も多い。」だよ。彼女自身が詞を、Ray Burtonが曲を書いている。グラミーで最優秀女性ボーカル賞を受賞。ゴールドディスク。
01265 Peaceful (ピースフル) 73年12位 今の気分だと、さんざん聴いた大ヒット曲より、この辺のソフトな曲の方が性に合うなあ。サビが好み。彼女の友人だったKenny Rankinの曲で、イギリスでは意外にもGeorgie Fameが以前にヒットさせていた。
01266 Delta Dawn (デルタの夜明け) 73年1位 2曲目のNo.1ヒット。Barbra Streisandが断って彼女に話が来たとのこと。Alex HarveyとLarry Collinsによるドラマチックなカントリー・バラード。Tanya Tuckerのヴァージョンも知られている。アダルトコンテンポラリー・チャートNo.1。ゴールドディスク。
01267 Leave Me Alone (Ruby Red Dress) (ひとりぼっちの哀しみ) 73年3位 Billy Prestonのところで書いたけれど、テレビで観た船上ハッピーニューイヤー・パーティ?でHelenが歌っていたのが、「I Am Woman」とこの曲だった。「♪Leave Me Alone♪(ほっといて)」を繰り返すサビが印象的。アダルトコンテンポラリー・チャートNo.1。ゴールドディスク。
01268 Keep On Singing (歌のある限り) 74年15位 ホントこの頃のHelen Reddyには悪い曲がない。オリジナルは72年のAustin Robertsだが、スマッシュヒット?に終わっている。彼女自身なのか、プロデューサーなのか、いい曲を選ぶセンスがある。アダルトコンテンポラリー・チャートNo.1。
01269 You And Me Against The World (ユー・アンド・ミー) 74年9位 母親が子供に語りかける曲である。最初と最後のセリフはHelenの娘Traci。Paul Williams作。Helenにホントに勢いがあった頃。アダルトコンテンポラリー・チャートNo.1。
01270 Angie Baby (アンジー・ベイビー) 74年1位 これは最初にCherに話が来たとか。そんなのばっかだけど、Helenは強運というか、曲を聴く耳があったということか。Alan O’Day作。彼自身の「Undercover Angel」は甘くてちょっと、って言う感じなんだけど、この曲の不思議な雰囲気(アレンジ)は好き。歌詞もミステリアス。Cherの強いボーカルにも合ってたんじゃないかなあ。アダルトコンテンポラリー・チャートNo.1。ゴールドディスク。
01271 Emotion (エモーション) 75年22位 あまりヒットしなかったけれど、Helen Reddyの曲の中ではかなり好きな曲。フランスの「Amoureuse」という曲の英語ヴァージョン。アダルトコンテンポラリー・チャートNo.1。
01272 Bluebird (ブルーバード) 75年35位 Leon Russellの名曲。この辺があまりヒットしなかったのは何故なんだろう? アーティストとしてのパワーにやや陰りが見えて来ていた?
01273 Ain’t No Way To Treat A Lady (さめた心) 75年8位 マイフェイヴァリット。彼女の大ヒットには勇ましい系が多いのだけれど、こっちのソフト路線の方がいいと思う。アダルトコンテンポラリー・チャートNo.1。
01274 Somewhere In The Night (夜どこかで) 75年19位 後にBarry Manilowでもヒットした曲。Helenのヴァージョンはちょっとひっかかりがないかなあ。
01275 I Can’t Hear You No More (偽りの愛) 76年29位 Carole KingとGerry Goffinの作品。オリジナルは64年Betty Everett。勇ましい系に戻して来たけれど、ちょっと面白みに欠ける。アダルトコンテンポラリー・チャートNo.1。
01276 Music Is My Life (ミュージック・イズ・マイ・ライフ) 76年29位 1275のB面曲。アップテンポな軽快なナンバー。ちょっとHelenっぽくないかも。
01277 You’re My World (私のすべて) 77年18位 最後のTop40ヒット。64年Cilla Blackで有名な曲のカヴァー。ドラマチックに歌い上げている。
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「音楽 70年代 Reddy, Helen」カテゴリの記事
- Reddy, Helen (ヘレン・レディ)(2009.11.02)
コメント
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>70年代を代表する女性シンガー。彼女の歌には、70年代の良質なポップスが凝縮されているような気がする。
そうですね。
あと、Karen Carpenterと並んで日本人にとって模範的な英語の発音をする人、というイメージがあります。どうでもいいけど。
■Delta Dawn
もちろん『I Don’t Know How To Love Him』『I Am Woman』とかも良かったが、初期(というのも変だが)の曲で一番好きだったのはこれ。
細かい話ですが「And did I hear you say……」という歌詞の「did I」のあたりで、下手な人だと音程が上がりきらないのだけど、彼女はきちんと歌えていて安心したのを覚えている。
■Angie Baby
また細かい話だけど、彼女がしっかり「アンジー・ベイビィー」と歌っているのにバックコーラスは「アンジー・ベイベー」と歌っていて、ミスマッチなのが面白かった。
>Cherの強いボーカルにも合ってたんじゃないかなあ。
同感です。聴いてみたいなぁ。
■Emotion
私もかなり好きです。
でも、オリジナルの『Amoureuse』の方がもっと気に入っていた。
彼女の「力強い歌い上げ」系とは違って、か細いビブラートが印象的な、いかにもシャンソンぽい曲でした。
■I Can’t Hear You No More
これも結構気に入っていた。
>勇ましい系に戻して来た
とおっしゃいますが、昔の「強い女」路線の堂々とした歌い上げ系ではなく、アップテンポのノリノリ系なんじゃないでしょうか。
で、達者な彼女は、それもちゃんとこなしている(ほんのちょっとだけ、歳のせいか?息切れしそうな感じ=あくまで比喩ですが=もあるのだが)。
ここでも最後の「hear you no more」で音程を上げるところがきちっと歌えていて、さすがです。
投稿: かてぶし | 2009年11月 2日 (月) 08時25分
かてぶしさん、詳細なコメントありがとうございます。勇ましい系などと曖昧な言葉を使いましたが、Helen Reddyは私の場合アップテンポよりバラードの方が好きです。「Emotion」とか「Peaceful」とか「Ain't No Way To Treat A Lady」とか。
投稿: SAKURAM | 2009年11月 3日 (火) 08時23分
ヘレン・レディが亡くなった。78歳。全盛期は30代前半だったんだな。と思っていたら、マック・デイビスが亡くなった。R.I.P.
投稿: SAKURAM | 2020年10月 1日 (木) 22時07分